「うちの子、なかなか背が伸びない・・・」
「背を伸ばす食べ物ってあるの?」
身長は見た目でわかるので、どうしても気になってしまいますよね。
先に結論を言うと『これさえ食べれば背が伸びる』という食べ物は、残念ながらありません。ただし『背を伸ばしたければこれはしっかり食べたい』食べ物や栄養はありますよ!
そこでこの記事では、子どもの背を伸ばす食べ物や栄養素について管理栄養士が解説します。『子どもの背が伸びる=健やかに育っている』ですから、すべてのパパママ必見です!

いちか 2児の母。
管理栄養士としてクリニックに勤務。その後大学院に進学して博士(医学)を取得。現在は子育ての傍ら栄養ライターとして活躍中。得意分野は悩めるママの栄養指導。科学的根拠がある栄養情報をお届けします。
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子どもの背を伸ばす食べ物!鍵は「良質なたんぱく質」!?

2020年に、世界152カ国・地域における成人男女の身長と、7つの社会経済指標・47種類の食品摂取量との関連を調べた研究論文がチェコ・マサリク大学研究チームより発表されました。
この研究によると、経済状態などとは関係なく「豚肉」「卵」「じゃがいも」由来のたんぱく質を食べている地域の人で身長が高かったそうです。
ただし、この研究では『良質なたんぱく質をたくさん食べた人と食べていない人の身長がその後どうなったか』を直接比べた研究ではないので『たんぱく質をたくさん食べることが、将来の身長の伸びにつながる』とは言い切れないことには注意しましょう。
参考:P Grasgruber, E Hrazdíra. Nutritional and socio-economic predictors of adult height in 152 world populations.Economics & Human BiologyVol 37, May 2020, 100848
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570677X19300772?via%3Dihub#!
どうしてたんぱく質が背を伸ばすの?

「身長が伸びる=骨が伸びる」です。
骨は、端っこにある軟骨部分が成長ホルモンに刺激されることで細胞が増え、伸びます。
この細胞の主な材料がたんぱく質です。
さらに、成長ホルモンそのものもたんぱく質(アミノ酸)でできています。
つまり、たんぱく質は「骨の材料」なので、身長を伸ばすのになくてはならない存在なのですね。
たんぱく質って何?
たんぱく質は主に私たちの体の材料になる栄養素で、良質なたんぱく質を含む食品は「肉・魚・卵・大豆」です。一般的に、食卓ではメインのおかず(主菜)を指します。
食事からとったたんぱく質は、一度体内でアミノ酸という栄養素にまで消化されます。
アミノ酸は20種類あり、必要な分ずつパズルのように組み合わさって体のたんぱく質を作るのです。
ただし、このパズルのピース(アミノ酸)はひとつでも足りないとたんぱく質は完成せず、時間が経つと体の外へ出て行ってしまいます。そのため、良質なたんぱく質を含む食品は、1日3回食べましょう。
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身長を伸ばすと言ったらカルシウムじゃないの?

骨といえばカルシウムというイメージがありますよね。
その通り、カルシウムは骨を強くしてくれるので、たんぱく質と合わせてぜひとりたい栄養素です。
残念ながら、私たちが日頃食べているカルシウムの量はあまり足りていません。
令和元年度の国民健康・栄養調査によると、1〜6歳児のカルシウム摂取量の平均は446mgでした。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)で6歳男児に推奨しているカルシウム摂取量は600mg/日なので、あとコップ1杯の牛乳を飲みたいところですね。
参考:日本人の食事摂取基準(2020年度版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
「では、牛乳をがぶ飲みすればいいの?」というと、そうではありません。
確かに乳製品はカルシウムが豊富ですが、余分にとりすぎたカルシウムは身にならず、体の外に出ていってしまうのです。
牛乳でお腹がいっぱいになりご飯が食べられない! となってしまっては本末転倒ですよね。小魚や大豆製品・青菜など、乳製品以外でもカルシウムを多く含む食べ物をとることをおすすめします。
行き着くのは、バランスの良い食生活

たんぱく質が骨になるには、体全体のエネルギーが足りていることが大前提です。
「無茶なダイエットをしたら、筋肉が落ちてしまった」というのを聞いたことはありませんか?
糖質や脂質からきちんとエネルギーがとれていないと、たんぱく質を『体を作る材料』ではなく『エネルギー源』として使ってしまうのです。
また、たんぱく質の代謝にはビタミンB6やB12が大切ですし、カルシウムが骨に長くとどまるにはビタミンDやビタミンKの助けが必要です。
このように、栄養素はそれぞれ助け合って体の状態を保っています。
つまり、身長を伸ばすには『バランスよく何でも食べ、色々な栄養素をとる』ことがもっとも大切なのです。
そもそも子どもの背を伸ばすのに食べ物はどのくらい影響するの?

身長は『遺伝』と『環境』が相互に関係しあって決まります。実際、親子で身長って似ますよね。
やはり遺伝の方が環境よりも身長に与える影響は大きく、研究によると80%は遺伝的な要素だとか。
「なぁんだ、じゃあ努力しても無駄か」……いえいえそんなことはありません!
まだ20%もある『環境』の影響で、親の身長から予測される身長よりも高くなることは十分可能です。
【子どもの最終身長の予測式】
男の子:(父親の身長+母親の身長+13)÷2
女の子:(父親の身長+母親の身長ー13)÷2
参考:医療法人智正会 渡辺医院HP http://www.watanabeiinc.jp/category26/entry85.html
私たちが今日からでも実行できる『環境』には、食事以外では『睡眠』『運動』などがあります。
「寝る子は育つ」は本当

子どもが日中に転んでできた傷、翌朝に見て「もうこんなに治ったの!?」と驚いたことはありませんか?
子どもの体を作る成長ホルモンは、寝ている間にたくさん分泌されます。
成長ホルモンも骨も、主な材料はたんぱく質ですから、しっかりと食事・栄養をとった上で充分な睡眠をとれると、骨が成長し背が伸びるということなのです。
充分な睡眠とは、時間・深さの両方を指します。
厚生労働省研究班が公表した『未就学児の睡眠指針』では、1〜3歳は11〜12時間・3〜6歳は10〜11時間を睡眠時間の目安としています(昼寝の時間を含む)。
寝る前には、親子ともスマホなどの明るい光を浴びないのも大切です。
参考:厚生労働科学研究費補助金 未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班「未就学児の睡眠指針」
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf
適度な運動も大切

運動は骨に適度な刺激を与えることで、成長を促します。
「成長スパート」と言われる第二次性徴までに体を動かす習慣を作りましょう。
さらに、大人になってから骨粗しょう症にならないためには、子どものうちにいかに骨量を増やすかということがとても大切です。
また、運動は次の点からも大切です。
- 消費エネルギーが増えるのでお腹が空き、食事をたくさん食べられる
- 体が疲れるので、よく眠れる
特別なスポーツをする必要はありません。鬼ごっこをしたり公園で遊んだりと『外で動き回る時間を増やす』ことを意識してみてくださいね。
子どもの背を伸ばす食べ物はあるの?まとめ

子どもの背を伸ばす食べ物や栄養素についてご紹介しました。ポイントをおさらいしますね。
- 身長の20%は環境で変わるので、努力する価値はある
- 骨や成長ホルモンの主な材料はたんぱく質
- 良質なたんぱく質の摂取量は背の高さと関係するという研究データもあるので、肉・魚・卵・大豆などは毎日3回食べたい
- 栄養素はそれぞれ助け合っているので、なんでもバランスよく食べることがもっとも大切
背を伸ばす食べ物は、子どもが心身ともに元気に育つ食べ物です。
ですので、たとえ親が期待するほどまでは背が高くならなかったとしても、摂取した栄養は決して無駄になることはありません。
よく食べて、よく遊び、よく寝ることで、読者さまのお子様がすくすく育ちますように。
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