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    フライドポテトが体に悪いのはなぜ?子どもには食べさせてはいけない!

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    ファストフードの代表とも言えるフライドポテト、おいしいですよね!

    「でも、フライドポテトは身体に悪いんじゃないの?」

    「子どもがフライドポテトを大好きなんだけど、食べさせない方がいい?」

    大人を対象とした研究で、定期的なフライドポテト摂取が死亡率を高めたという結果があるのも事実です。

    そこでこの記事では、次のことを解説します。

    • フライドポテトは食べてはいけないの?
    • 子どもにはフライドポテトを与えない方がいい?

    ファストフードとのちょうどよい付き合い方をご紹介しますね。

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    この記事を書いたのは

    いちか 2児の母。
    管理栄養士としてクリニックに勤務。その後大学院に進学して博士(医学)を取得。現在は子育ての傍ら栄養ライターとして活躍中。得意分野は悩めるママの栄養指導。科学的根拠がある栄養情報をお届けします。

    フライドポテトは体に悪い?子どもの研究結果も紹介

    フライドポテトをはじめとしたファストフードをどの程度食べている?というのは、病気や肥満と食生活との関連を調べる上で欠かせない質問項目のひとつです。

    それだけ、ファストフードは『体に悪そう』というイメージが定着しているのですね。

    では実際に、フライドポテトは体に悪いのでしょうか? 研究を2つご紹介します。

    フライドポテトは死亡率を高める|大人を対象とした研究

    2017年、栄養士会の最高峰であるAmerican Journal of Clinical Nutrition誌に「Fried potato consumption is associated with elevated mortality: an 8-y longitudinal cohort study(フライドポテトの消費は死亡率の上昇と関連する:8年間の観察研究)」という論文が発表され、大きな話題となりました。

    参考:Fried potato consumption is associated with elevated mortality: an 8-y longitudinal cohort study

    この研究では、平均年齢61.3歳(45-79歳)のアメリカ人男女4,400名の食習慣を調べたのちに8年間追跡し、死亡率を調べています。

    8年間の調査期間中に236名が亡くなりましたが、じゃがいもの摂取頻度が高いことは死亡率と関係しませんでした。

    ところが「フライドポテト」を週に2回以上食べているグループでは、8年間の死亡率が高くなったのです。

    研究者はこの結果に対して次の4点を考察しています。

    • フライドポテトは、心臓病などのリスクを上げる脂質や塩分を多く含む
    • フライドポテトの消費は、心臓病などにつながる高血圧や糖尿病などになりやすい。トランス脂肪酸やアクリルアミドなどの物質の影響も研究が必要である。
    • フライドポテトをよく食べる人は、それ以外の食習慣も良くない
    • 社会的・経済的な貧しさが、安いフライドポテトの消費に関係しているかもしれない

    ただしいずれも、もっと多くの人を対象とした研究が必要だと述べています。

    また、この研究結果をもって「フライドポテトは身体に悪いから食べない方が良い」とは言えません。

    今回の調査で死亡率が高くなったのは「フライドポテトを週に2回以上食べている」人たちです。

    マイボイスコム株式会社が2021年9月におこなった「ファストフードの利用に関するアンケート調査(第10回)」によると、10,177名の回答者(10〜70代)のうち「週に1回以上ファストフードを利用している」人は、わずか約6%でした。

    参考:ファストフードの利用に関するアンケート調査(第10回)

    フライドポテトを自宅で食べる大人は、そこまで多くはないと考えられます。

    つまり、日本人のほとんどの人は死亡率を上げるほどフライドポテトを食べてはいないのです。

    食育を3年間しても、フライドポテトの摂取頻度は変わらない|子どもを対象とした研究

    次に、子供を対象とした研究をご紹介します。

    スペインのバルセロナで、8-9歳の子ども3624名に対して学校単位での3年間の食育実践を行いました。

    栄養・活動に関するさまざまな教育活動や家族へのアプローチを行い、それをしなかった対照群と3年後の肥満や生活を比較しました。

    その結果、食育を行った学校の子どもは、3年間で総合的に健康な生活を送るようになりました。

    反面、肥満発生率は減ったものの食育を行わなかった学校と差はなく、フライドポテトの摂取頻度も変わりませんでした。

    参考:Three-Year Follow-Up of the POIBA Intervention on Childhood Obesity: A Quasi-Experimental Study

    この研究から言えることは、子ども時代の数年間の食育で、生活が大きく変わることはないんだよ、ということです。

    もちろん健康的な食事や運動について知り実践することはとても大切ですが、好きな食べ物と健康の、ちょうどいいバランス感覚を養いたいですね。

    フライドポテトが体に悪いのは栄養バランス

    では、私たちはフライドポテトとどう付き合っていけばいいでしょうか。

    死亡率を上げるほどフライドポテトを食べない人で考えられる問題は、フライドポテトそのものよりも、栄養バランスが崩れることです。

    たとえば、毎食手のひら1杯分くらいの野菜を食べるのが理想ですから、ファストフードで食事するときには、どうしても不足しますよね。

    ファストフードでは、少しの生野菜か、マヨネーズたっぷりのコールスロー、糖質が多いコーン程度しかメニューにないことも珍しくありません。

    ここで大切なのは、ファストフードを減らすことよりも「他の食事で野菜を補うこと」です。

    毎回の食事の栄養バランスを気にすることは不可能ですし、何より楽しくありません。

    昼食にファストフードでフライドポテトをたくさん食べたら、夕食は野菜たっぷりの味噌汁を作ってみてはいかがでしょうか。

    また、子どもによっては『ポテトしか食べない』というケースも。

    この場合も、課題はフライドポテトではなく、特定のものしか食べられないという偏食です。

    食べられるものがフライドポテトではなく、仮にお米やリンゴであっても同じです。

    強い偏食は、小児科医とも相談して不足している栄養素がないかを確認しましょう。

    その上で、少しずつフライドポテトの形を変えてみてはいかがでしょうか。

    • 少しずつフライドポテトの油を減らして焼きポテトにする
    • かぼちゃやさつまいもなど、フライドポテトに食感が似た野菜のフライに挑戦

    など、それぞれのお子さんの好みによって、無理のないように幅を広げていけるといいですね。

    フライドポテトが体に悪いのはなぜ?子どもに食べさせるのは良くない? まとめ

    フライドポテトにまつわる研究結果を紹介しつつ、子どもとフライドポテトとの付き合い方をご紹介しました。

    もう一度おさらいしましょう。

    まとめ
    • 週に2日以上フライドポテトを食べる40歳以上で、死亡率が上がった
    • 子どもと家族に食育を3年間しても、食育をしなかったグループとフライドポテトを食べる頻度は変わらなかった
    • ファストフードを食べた後は、他の食事で野菜を補うようにしよう

    食事は、体の栄養であり、心の栄養です。

    子どもがフライドポテトを「おいしかった!」と食べられるならば、それはとても素敵なことです。

    その上で、他の食事で野菜やたんぱく質を補って栄養バランスを整えてみてくださいね。