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    赤ちゃんに牛乳を飲ませるのはいつから?離乳食と飲み物の違いを栄養士が解説。

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    元気な子供といえば牛乳をゴクゴク飲んでいるイメージ・・・ありませんか?

    「赤ちゃんに牛乳を飲ませていいのはいつから?」

    牛乳は食物アレルギーが心配な食材の一つなので、いつから飲ませるべきか気になりますよね。

    そこでこの記事では次のことをお伝えします。

    • 子供に牛乳を飲ませていい時期
    • 牛乳はどのくらい飲めばいい(飲んでいい)のか?

    栄養満点なイメージのある牛乳ですが、適切に取り入れないと健康に逆効果になってしまうことも。

    牛乳パワーを最大限に活かせるように、正しい知識を学んでいきましょう。

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    この記事を書いたのは

    いちか 2児の母。
    管理栄養士としてクリニックに勤務。その後大学院に進学して博士(医学)を取得。現在は子育ての傍ら栄養ライターとして活躍中。得意分野は悩めるママの栄養指導。科学的根拠がある栄養情報をお届けします。

    赤ちゃんに牛乳を飲ませるのはいつから?

    赤ちゃんに牛乳を飲ませていいのは何カ月から?

    子供に牛乳を与えるタイミングは、「飲み物として飲ませる場合」「離乳食の調理に使う場合」で違います。

    厚生労働省による「授乳・離乳の支援ガイド(2019年3月)」には次のように記されています。

    ”牛乳を飲用として与える場合は、鉄欠乏性貧血の予防の観点から、1歳を過ぎてからが望ましい。(引用)”

    https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf

    つまり、母乳やミルクの代わりに飲み物として牛乳を飲ませる場合は1歳過ぎがいいですね。

    実際に、我が子が通っていた保育園でも、1歳のお誕生日を迎えて少しした頃に「おうちで少しずつ牛乳飲ませてみてくださいね」というお話がありました。

    ⇒野菜ジュースは野菜の代わりになる?子供には良くない?効果的な飲ませ方を紹介

    牛乳を飲ませると鉄欠乏性貧血になるの?

    牛乳は赤ちゃんにはよくない、なんで?

    でも、「鉄欠乏性貧血の予防の観点から」なんて書いてあると、「えっ牛乳飲むと貧血になるの?」とドキッとしてしまいますよね。

    くれぐれも『牛乳=貧血になる』ではないので、ご安心くださいね。

    牛乳は1歳過ぎが望ましいのは、次の2つ理由の掛け合わせです。

    • 乳児期の後半は鉄分が不足しやすい
    • 牛乳はほとんど鉄分を含まない

    まずは、赤ちゃん側の視点から見ていきましょう。

    産まれて間もなくの赤ちゃんにとっては、母乳やミルクに含まれる栄養が最適です。

    しかし、実は赤ちゃんが6カ月になる頃には、母乳中に含まれるビタミンやミネラルはなんと約半分程度にまで減ってしまいます!

    逆に、赤ちゃんはどんどん大きく・動きも活発になるので、必要とする栄養は増える一方です。

    つまり、乳児期の後半は栄養素の需要と供給が合わなくなっており、そもそも鉄分が不足しやすい状態なのです。

    牛乳はいつから飲ませる?

    そのことを頭に置きながら、普通牛乳と液体ミルクの栄養価を比較してみましょう。

    液体ミルクは母乳に栄養を合わせて作られていますから、基本的には母乳の栄養もほぼ同じだと思ってくださいね。

    エネルギー
    (kcal)
    たんぱく質
    (g)
    脂質
    (g)
    炭水化物
    (g)

    (mg)
    カルシウム(mg)
    普通牛乳613.33.84.80110
    液体ミルク661.53.67.10.645

    引用:文部科学省 食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/

    牛乳とミルクのエネルギー(カロリー)はほぼ同じですが、三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)の構成割合が異なります。

    表を見るとすぐにわかるように、牛乳にはほぼ鉄分はありません。

    つまり、まだ食べ物からは十分な鉄分をとれない離乳食の段階で母乳やミルクを牛乳に変えてしまうと、鉄分が不足してしまうのです。

    さらに、牛乳はたんぱく質やカルシウムがミルクよりもずっと多く、たんぱく質の種類もミルクと比べると消化に負担がかかるものでできています。

    そのため、消化機能が発達し、食事から充分に鉄分がとれる「1歳過ぎ」というのが牛乳を飲み物として飲める目安になっているのですね。

    離乳食に牛乳を使う場合は中期からOK!

    離乳食

    授乳・離乳の支援ガイドによると、『離乳食が進むにつれ(中略)。ヨーグルト、塩分や脂肪の少ないチーズも用いてよい』と記載されています。

    つまり、目安として離乳食が始まって2カ月ほど、食べられる食材が増え、赤ちゃんがお口をもぐもぐ動かせるようになった中期頃から乳製品を取り入れてみてはいかがでしょうか?

    ミルク煮のように料理に少量入る牛乳は、鉄分不足として気にする必要はありません。

    むしろ、レバーのような鉄分が豊富だけれども独特の匂いと味がある食材は、牛乳と合わせると食べやすくなるのでおすすめです♪

    牛乳を初めて与えるときに気をつけてたいのは、鉄分よりも食物アレルギーです。

    赤ちゃんの体調も機嫌も良く、病院が空いている平日の午前中に、ほんの少しから始めてみてくださいね。

    ⇒お餅は子供にいつから食べさせて良い?注意点と代わりのレシピも紹介!

    牛乳はどのくらい飲ませていいの?量は?

    栄養素

    幼児食になると牛乳大好きっ子が増えてきます。次に悩むのは「牛乳は、どのくらい飲ませていいのか?」ですよね。

    『牛乳は〇〇mlまでにしましょう』という決められた基準は特にありません。

    牛乳を飲ませるポイントは『水代わりにはせず、ご飯に差し支えない量』です。

    確かに牛乳は栄養が豊富で、特に成長期にとても大切なカルシウムを豊富に含みます。

    でも、カロリーも高く、100g(子供のコップ1杯)あたりで60kcalと、オレンジジュースの約1.5倍!

    食事中の飲み物は牛乳、おやつも牛乳・・・と水代わりに牛乳ばかり飲んでしまうと、当然お腹いっぱいになってしまいますよね。

    牛乳は栄養豊富とはいえ、鉄に代表されるように全ての栄養素を含むわけではありません。

    食があまり進まない理由に牛乳の飲み過ぎがありそうなら、『食事の時はお茶、おやつの時に牛乳』にしてみるのがおすすめです。

    また、カルシウムは骨を作るのに必要なので、牛乳は「飲まなければいけない」という気がしてしまいますよね。

    しかし、関西医科大学や近畿大学などの研究グループが『カルシウム摂取量だけが骨密度を増やすわけではない』という調査結果を2020年に公表しました。

    この研究は、10-12歳の児童275名の骨密度を3年間追跡したものです。

    調査開始時のカルシウム摂取量は、3年後の骨密度の高さや増加量には一見相関が見られました。

    「うんうん、そうだよね。」

    と納得してしまいますが、続きがあります。

    体重増加などの影響を考慮すると、カルシウム摂取量と骨密度の高さ・増加量の関連性はなくなってしまったのです。

    この研究グループのデータでは、骨密度に最も強く関係していたのは体重でした。

    つまり、『体重が多い=たくさん食べている=カルシウム摂取量が多い』という関係が考えられるのです。

    調査対象となった子供の数が多くないのでもっと研究を進める必要がありますが、少なくとも「牛乳だけを飲むのではなく、色々な食べ物から栄養をとることが大切」だと言えるでしょう。

    そう思うとやはり、牛乳は『水代わりにはせず、ご飯に差し支えない量』がおすすめです。

    ⇒低脂肪乳は子供にもおすすめ!?最新の研究結果は……

    赤ちゃんに牛乳を飲ませるのはいつから?まとめ

    赤ちゃんに牛乳を飲ませるタイミングと飲ませ方について解説しました。

    もう一度ポイントをまとめますね。

    まとめ
    • 離乳食の材料として使う牛乳は離乳食中期(7-8カ月頃)から
    • 飲み物としての離乳食は1歳を過ぎてから
    • 飲ませいい牛乳の量に決まりはないが、水代わりにはせず食事に差し支えない量にする

    栄養が豊富な牛乳は、アレルギーがなければぜひ積極的に付き合って欲しい食材の一つです。

    だからと言って、もちろん牛乳が苦手な子に無理強いする必要はありません。

    子供に与える食べ物はなんでもほどほどに、ポイントだけ押さえたら、あとは「好き」「楽しい」を大切にしながらやっていきましょうね。

    参考論文:
    *Calcium Intake and Bone Mineral Acquisition during the Pubertal Growth Spurt: Three-Year Follow-Up of the Kitakata Kids Health Study in Japan.
    *Katsuyasu Kouda; Masayuki Iki; Yuki Fujita; Harunobu Nakamura; Kazuhiro Uenishi; Kumiko Ohara; Toshimasa Nishiyama
    *Journal of nutritional science and vitaminology 66 2 158 – 167 2020年