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    昆虫食は子供には危険?メリットとデメリットを管理栄養士が解説!

    ▼子供には安全なものを食べさせてあげたい▼

    最近、昆虫でできたお菓子などを見かける機会が増えてきましたね。無印良品やoisixでも販売されています。

    昆虫食がここまで盛り上がりを見せている理由は、2013年にFAO(国際連合食糧農業機関)が発表した報告書にあります。

    FAOは、世界の食糧問題・環境問題への解決策の一つとして昆虫食を推奨したのです。

    「昆虫食、ちょっと気になる……。でも、子供は食べても大丈夫なのかな?」

    大人はともかく子供は食べても大丈夫なのか……やはり心配になるところです。

    そこでこの記事では、FAOが2013年に発表した報告書をもとに、子供に昆虫食を与えるメリット・デメリットを解説します。

    参考:Edible insects Future prospects for food and feed. 2013年http://www.fao.org/3/i3253e/i3253e.pdf
    (日本語資料)昆虫の食糧保障、暮らし そして環境への貢献.http://www.fao.org/3/i3264it/i3264it.pdf

    この記事を書いたのは

    いちか 女の子ママ。
    管理栄養士としてクリニック勤務。現在は子育ての傍ら栄養ライターとして活躍中。
    得意分野は悩めるママへの栄養指導。エビデンスがある情報をお届けします。

    昆虫食を子供が食べるデメリットは?

    昆虫食は子供には危険?メリットとデメリットを管理栄養士が解説!

    現在、食用の昆虫採集を行う多くの国では、子供は貴重な担い手となっています。

    そのため、「子供だから昆虫を食べてはいけない」ということはありません。

    むしろ栄養不足が深刻な国では、昆虫食が子供の飢餓を救う上で重要な役割を果たしているのです。

    では、昆虫食を子供が食べるデメリットはなんでしょうか。

    代表的なものとして、次の3つが考えられます。

    • 病気やアレルギー
    • 見た目に抵抗がある
    • 値段が高い

    ひとつずつ見ていきましょう。

    病気やアレルギー

    朝から不機嫌な子供にママも泣いちゃう

    昆虫食のデメリットとして最も心配なのが、病気やアレルギーです。

    FAOの報告書では、昆虫食による病気について次のように述べています。

    「昆虫が他の食材のように衛生的な環境で扱われる限り、病気や寄生虫が人間に伝染された事例は知られていません。」(引用)

    つまり今後食用の昆虫は、『採集』から『養殖』へと変わり、衛生的な整備がなされていくでしょう。

    病気や寄生虫

    逆にいえば、衛生的な環境で扱われていない昆虫は、昆虫食に適していません。

    野生の昆虫が何を食べどのような衛生環境で生きているか、私たちにはわかりませんよね。

    人間の体に有害である毒や、寄生虫が付いている可能性だって否定できないのです。

    残留農薬の影響を気にして子供に昆虫(バッタ)を捕まえて食べないように指導している地域もあるのだそう。

    私たちも、いくらキノコが好きでも道に生えているものを自分で採って食べませんよね。

    刺身や卵も、すべてのものをナマで食べられません。

    毒を持つフグの調理は、有資格者のみに許されています。

    昆虫食もそれと同じで「衛生的な環境で食用の昆虫を育てている」会社のものを選ぶことが大切です。

    アレルギー

    昆虫は、えびやカニが原因となる甲殻類アレルギーのようなアレルギーを引き起こす可能性があるそうです。

    初めてや2回目に食べる時には少量にして、アレルギー反応が起きないかよく様子を見ましょう。

    見た目に抵抗がある

    昆虫食は見た目がグロテスク

    日本でも伝統的にイナゴの佃煮がありますが、見た目が虫そのものなのでやはり抵抗がある子供も多いかと思います。

    虫の形そのままはちょっとキツい……そんな子供には、粉末やエキスに加工されて昆虫の見た目がなくなっている昆虫食から始めてみるのがおすすめです。

    たとえば最近では無印良品などの有名な会社でも、コオロギを粉末状にして練り込んだ「コオロギせんべい」を販売しています。

    他にも、うどんや飲み物など一見して昆虫とはわからない商品がたくさんありますので、まずはそこからトライしてみてはいかがでしょうか。

    実は私、東南アジアのラオスで、ミルワーム(ゴミムシダマシの幼虫)と揚げたコオロギを食べました!

    栄養が不足しやすいラオスの村では、たんぱく質や脂質が多い幼虫は重宝されているとのこと。

    揚げたてのコオロギは、サクッとしていてなかなか美味しかったです。

    ちなみに、人によっては、こんな心配もあるかもしれません。

    「子供が昆虫食を気に入って、道端のコオロギを捕まえて食べるようになったらどうしよう。」

    実は私もちょっと悩みました(笑)。

    しかしこれは、前述したように『道端のキノコを採って食べない』のと同じです。

    野生と食用との違いを子供にきちんと伝えることが、食育だということですね。

    値段が高い

    昆虫食を子供が食べても大丈夫?危険じゃないの?

    引用:TAKEO online store https://takeo.tokyo/?mode=srh&keyword=

    画像は、日本の昆虫食をリードする昆虫専門会社TAKEOの商品の一部です。

    見てわかる通り、現在、日本で手に入る昆虫食は決して安くはありません。

    もちろん今後市場規模が大きくなるにつれて価格が下がることが予想されます。

    しかし、現時点での昆虫食のコスパはあまりいいとは言えません。

    だからといってむやみに安価な昆虫食に手を出すのは危険です。

    購入する場合はホームページなどを確認し、きちんと昆虫を衛生的に取り扱っている会社のものを購入しましょう。

    ⇒OISIXでも昆虫食(コオロギスナック)売ってるよ。

    昆虫食を子供が食べるメリットは?

    それでは、子供が昆虫食を食べるメリットは、デメリットを上回るのでしょうか?

    管理栄養士の私が考える、子供に昆虫食を食べさせる最大のメリットは、『サスティナブルな地球という視点を持てる』ことです。

    サスティナブルとは「持続可能な」という意味を持ちます。

    日本は少子高齢化により人口が減っていますが、世界の人口は増加し続けています。

    1970年頃は40億人だった世界人口は、2020年には約2倍の78億人と推定されました。

    人が生きていくためには水や食糧、ガスなどの資源が多く必要ですから、人口増加により地球環境への負荷が増えるのです。

    そのため、私たち一人一人が環境に配慮した行動を取ることがサスティナブルな地球につながります。

    昆虫食は、サスティナブルな地球に大きく貢献しうるものです。

    FAOは昆虫食のメリットに、次の3つを挙げています。

    • 昆虫は育てる過程で環境にかける負荷が小さい
    • 栄養価が高い
    • 途上国においても産業となりうる

    一つずつ解説しますね。

    昆虫食を通して、『世界で今何が起こっているのか』『昆虫を食べることでどのような問題が解決しうるのか』などを親子で話してみてはいかがでしょうか。

    昆虫は育てる過程で環境にかける負荷が小さい

    昆虫を育てるのに必要なエサの量は、家畜を育てるのに必要な量よりも圧倒的に少ないです。

    私たちが普段食べる肉や魚は、その大きさになるまでにたくさんの動植物を食べる必要があります。

    なんと1キロ分の牛肉を作るには、およそ8キロのエサが必要だそうです。

    ところが、昆虫の肉1キロを作るのに必要なエサの量は、わずか2キロだそう。

    つまり、同じエサの量ならば、昆虫肉は牛肉よりも4倍多く作れるのです!

    さらに昆虫のエサは私たちの生活廃棄物を活用できるので、まさに一石二鳥とも言えますね。

    他にも、昆虫は水や土などの環境資源も家畜に比べると必要なく、生み出す温室効果ガスの量も少ないのだそうです。

    ミルワームが生産する(ゴミムシダマシの幼虫)温室効果ガスは、豚の1/10~1/100と言われています。

    人口増加により人間の食べ物の需要量が増えるので、なるべく環境にかける負荷が少ない食べ物を食べたいですよね。

    それには昆虫が良い選択肢のひとつであるということです。

    栄養価が高い

    いくら昆虫食が環境にいいとは言え、「食べて大丈夫なの?」と疑問に思いますよね。

    なんと、昆虫は、肉や魚と比べても栄養価が高いのです。

    ためしに、いなごの佃煮100gと若鶏もも(皮なし)100gの栄養価を比べてみましょう。

    ポイントとなる栄養素をいくつかご紹介します。

    参考:食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/

    可食部100gあたりいなごの佃煮若鶏もも(皮なし)
    エネルギー(kcal)243113
    たんぱく質(g)26.319.0
    脂質(g)1.45.0
    炭水化物(g)32.30
    カルシウム(mg)285
    鉄(mg)4.70.6
    ビタミンB1(mg)0.060.12
    レチノール活性当量(μg)
    (ビタミンA)
    7516
    α-リノレン酸(mg)24018
    ドコサヘキサエン酸(mg)011

    エネルギーと三大栄養素

    今回比べたのは、いなごそのものではなくて佃煮です。

    そのため、同じ重量あたりではいなごの方が水分量が少なく、調味料分も加わるのでエネルギーが高くなっています。

    注目すべきはそのたんぱく質量の多さ。

    身体を作るのに必要なたんぱく質量は、鶏肉よりも昆虫に多いとは驚きですよね。

    また、脂質や炭水化物もほどよく含まれており、昆虫はそれだけでもバランスのとれた食品であると言えます。

    ミネラルやビタミン

    昆虫食はミネラルを豊富に含むので、飢餓や栄養不足に直面した子供たちの貴重な栄養源となりえます。

    私たち日本人も、エネルギーは不足していなくともミネラル(特にカルシウムや鉄)が不足しがちです。

    今後は、昆虫パウダー入りの子供のおやつなど、幅広い活用が期待されます。

    一方で、ビタミンに関しては、ビタミンB群など昆虫よりも家畜肉に多く含むものも多いです。

    脂肪酸

    いなごの佃煮は鶏肉と比べて脂質の割合が低いですが、身体にいいとされる不飽和脂肪酸を多く含みます。

    特に私たちの体の中では作れず食事からとらなければならない「n-3系脂肪酸」のうち「αリノレン酸」が豊富です。

    とは言え、頭が良くなると有名な栄養素DHAは含みません。

    昆虫食だけでなく家畜肉(DHAに関して言えば魚)との両立が良いでしょう。

    昆虫肉は家畜肉よりも優れている?

    昆虫肉には優れた栄養素があることがわかりましたね。

    ただし、100gあたりの比較をもって「昆虫肉は家畜肉より優れている」とは言い切れません。

    なぜなら、「それを食べられるか?」はまた別の話だからです。

    たとえば鶏肉100gは一食としては少ないくらいですが、いなごの佃煮100gは15匹ほど食べる必要があります。

    いなご15匹・・・なかなか大変ですよね。

    100gあたりのたんぱく質量で比較すると家畜肉よりも昆虫肉が優れているように感じますが、実際の食卓ベースで考えると、まだまだ工夫の余地がありそうです。

    途上国においても産業となりうる

    昆虫食のメリットの3つ目は「途上国においても産業となりうる」ことです。

    環境負荷の小さい昆虫は、資源に乏しい途上国の原野でも育てやすいと言えます。

    今後、昆虫の養殖が盛んになることで、途上国において雇用を生み出す機会になり、貧困からの脱出へとつながるでしょう。

    昆虫食は他人事ではない

    最近の世界の飢餓率は約8.9%です。

    人口は増加し続けているので、飢餓の絶対数は増えています。

    日本に住む私たちは今のところ幸い、『飢餓』と言われてもあまりピンときませんよね。

    しかし実は、食料問題は日本にとっても他人事ではありません。

    なぜなら、日本の食料自給率はわずか38%(カロリーベース、令和元年度農林水産省)、多くの食料を輸入に頼っている状態なのです。

    • 世界人口増加に伴い輸出国が自国民を優先して輸出を制限する
    • 少子高齢化によって国力が衰え、海外から十分に食料を輸入できる資金がなくなる

    このような可能性は、残念ながら否定できません。

    つまり、今の子供達が大人になる頃の食卓には、ごく自然と昆虫が並んでいるかもしれないのです。

    子供の頃に食べなれた食品は大人になってからも食べやすいですから、今のうちから昆虫食に触れておくのもアリかもしれませんね。

    昆虫食は子供が食べても大丈夫?メリットとデメリットは?まとめ

    昆虫食を子供が食べても大丈夫なのか、メリットとデメリットについて解説しました。

    もう一度ポイントをおさらいしましょう。

    昆虫食のデメリット
    • 衛生的な環境で取り扱われていない昆虫は危険かもしれない
    • 食物アレルギーは起こりうる
    • 昆虫食の見た目に抵抗がある
    • 現時点では昆虫食のコスパはあまり良くない
    昆虫食のメリット
    • 「サスティナブルな地球」という視点を得られる
      • 昆虫は育てる過程で環境にかける負荷が小さい
      • 栄養価が高い
      • 途上国においても産業となりうる
    • 将来は昆虫食が普通になるかもしれない

    子供だからといって昆虫食に特別な問題が起こるという危険な報告はありません。

    むしろ、普段の食事やおやつに昆虫食をプラスすることで、不足しがちな栄養素を補えるかもしれません。

    せっかく子供に昆虫食を与えるのなら、グローバルな問題に関心を寄せられるような食育をあわせて楽しめるといいですね。

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