このご時世、食品にウイルスや細菌が付いていないかが、ますます気になりますよね。
そんな中、アルコール除菌スプレーや虫除けスプレーで有名なフマキラー株式会社から、食品用の除菌スプレーが誕生しました。
その名も「フードキーパー」。
細菌やウイルスを99.99%除去できるのだそう。
「食品用の除菌スプレーなんて、体に悪そうで怖い。」
「除菌できるなら、子供のお弁当に使っても大丈夫?」
私も母なので、興味がありつつも読者様と同じことが気になりました。そこでこの記事では、フードキーパーは本当に怖いのか?子供のお弁当に使えるかを調べてみました!
いちか 2児の母。
管理栄養士としてクリニックに勤務。その後大学院に進学して博士(医学)を取得。現在は子育ての傍ら栄養ライターとして活躍中。得意分野は悩めるママの栄養指導。科学的根拠がある栄養情報をお届けします。
食品用の除菌スプレー、フードキーパーは怖い?
結論から言うと、食品用の除菌スプレー・フードキーパーは怖い商品ではありませんでした。なぜなら、100%食品成分として使用されているものでできていて、食品製造の基準を満たしているからです。
フードキーパーが怖くない理由を詳しくみていきましょう。
食品としての基準をクリアしている
フードキーパーは、すべて食品成分として使用されているものでできています。
エタノール(発酵アルコール)、クエン酸、GSE(グレープフルーツ種子抽出物)、乳酸、チャ乾留物 引用:フードキーパー公式サイト |
フードキーパーに使用されているアルコールは、「食品添加物」としての基準を満たしています。
つまりは、食品添加物です。キッチン用の除菌スプレーとは、ここが違っています。
また、クエン酸は酢やレモンに含まれるすっぱさ(酸味)です。
掃除にもよく使われているように、その除菌効果は有名ですよね。
GSE(グレープフルーツ種子抽出物)は、天然由来なのに強い抗菌成分を持つことがわかっています。
乳酸は私たちの体にもある物質ですし、チャ乾留物とはチャノキ(ツバキ科の常緑樹)から抽出したエキスで、消臭効果があります。
このように、使われている原材料はすべて食品にあるもので、さらには食品衛生法に適合しているので怖いことはありません。
ちなみに、食品や容器へのアルコール製剤の使用は、調理や食品加工現場では日常的におこなわれています。
アルコールの一種であるエタノールは、多くの食中毒菌に対して除菌力を有することがわかっているからです。
参考:日本食品洗浄剤衛生協会
アルコール成分は5〜6分でなくなる
「アルコールでできているのを子供に与えていいの?」と心配ですよね。
メーカーのホームページの説明によると、スプレー直後やスプレー直後に密閉したものではアルコールが残るとのこと。
5、6分経ってアルコールが乾いていれば問題ないそうです。
子供に与える場合には、スプレーした後乾かしてからにしましょう。
味は変わらない
アルコール自体は5、6分でなくなりますし、原材料となる食品は味への影響はないそうです 。
自作は可能?
アルコールにクエン酸なら、自分でお酒とレモンを混ぜるのでもいけそうな気がしませんか?
結論から言えば、やめましょう。
料理酒は加熱してアルコールを飛ばして使いますし、子供が口にするものにお酒をかけることは許されません。
お酒の匂いも当然あるので料理のおいしさを損ねるうえに、除菌効果そのものも不透明です。
お弁当に使用した場合、中身に水分が多いとかえって食中毒菌の繁殖を促すことになりかねません。
掃除や自作化粧水として使われる『無水アルコール』に関しても「飲まないでください」と書いてありますので、残念ながら代用はできません。
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食品用の除菌スプレーは子供のお弁当に使える?
食品用の除菌スプレーが一番活躍できそうなのは、やはりお弁当ですよね。
特に夏場は食中毒が心配です。
その点食品用の除菌スプレーを使えば、食品の鮮度も維持できるのでとても役立ちそうです。
ここでは、お弁当に使う際に気をつけたいことをまとめました。
蓋をするのはアルコールを飛ばしてから
お弁当ができあがり食品用の除菌スプレーをシュシュっとスプレーしたら、乾かしてから蓋をしましょう。
もともとお弁当は、食中毒を予防するために汁気をできるだけ減らすことが大切です。
食品用の除菌スプレーの水分が残ったままだと不衛生なうえに、アルコール分が残ってしまうので子供には良くありません。
おにぎりに使う場合には、にぎったご飯にスプレーし20秒ほど乾かしてからのりを巻くのがいいようです。
使えない食材もある
メーカー発表によると、次に挙げる食材は、食品用の除菌スプレー「フードキーパー」による悪影響がおこりうるのだそう。
お弁当は蓋を閉じた状態で、作ってから食べるまでに時間があるので
- アボカド:密閉していると変色するおそれ
- 大葉:密閉していると変色するおそれ
- じゃがいも:土がついた状態で密閉するとカビが発生するおそれ
- キノコ類:菌であるため変性
- 葉付きトウモロコシ:噴霧後密閉により葉の部分が劣化
- バナナ:密閉していると変色するおそれ
使用可能であることが確認できている野菜や果物は次の通りです。
- 肉:牛肉、豚肉、鶏肉
- 魚:鯛、鮭、ししゃも
- 野菜:にんじん、トマト、きゅうり、キャベツ、レタス、小松菜、ほうれん草、ピーマン、ナス、ねぎ、玉ねぎ、パプリカ、かぼちゃ、大根
- 果物:みかん、いちご、りんご、キウイ、パイナップル、すいか、メロン
- 加工食品:食パン、白飯、ベーコン、卵焼き、焼きそば麺、かまぼこ、はんぺん、ちくわ、チーズ
子供のお弁当によく使うような食材には、だいたい使用できそうですね!
お弁当箱の素材に気をつけて
食品用の除菌スプレーであるフードキーパーは、お弁当箱の素材によっては使えません。
お弁当箱の裏側に素材が書いてあるので確認してみましょう。
一般的にお弁当箱の素材に良く使われるのはポリプロピレンやポリエチレン製のもの。
これにはフードキーパーを使用しても大丈夫です。
逆に使えないのは、曲げわっぱなど木でできたお弁当箱や、スチロール製の使い捨て容器。
もし使えるかどうかわからない物は、食材を入れる前にちょっと試してみましょう。
食品用の除菌スプレー、フードキーパーは怖い?子供のお弁当に使える?まとめ
食品用の除菌スプレーを、子供のお弁当に使用して大丈夫かお伝えしました。
もう一度おさらいしましょう。
- フードキーパーは100%食品に使用されている成分だけで作られている
- アルコールは5、6分で飛ぶので子供が口にしても大丈夫
- お弁当にも使用可能だが、使えない食材もある
- お弁当容器もだいたいは大丈夫だが、使えないものもある
もちろん食品用の除菌スプレーを使っていれば完全に食中毒が予防できるわけではないことも心に留めてくださいね。
「新鮮な食材を使う」「清潔な手指で、衛生的に食材を扱う」「十分に加熱をする」など、基本的な食中毒対策をした上でさらに安心を高められるのが食品用の除菌スプレーです。
安心、安全なお弁当でお子さんが楽しいお昼の時間が過ごせますように!