子供が今日もご飯を食べない……
立ち上がったりおもちゃで遊んだり、いつまで経ってもダラダラと食が進まない……
それなのに、片付けようとすると「まだ食べる!」と大騒ぎ。
イライラして「だったら早く食べなさい!」と、つい声を荒げてしまうこともありますね。
食事は子供の成長に影響するのでできれば食べて欲しい。
そんな親心がうまく伝わらない毎日に、疲れてしまうのは当然です。
そこでこの記事では、幼児がご飯を食べない理由と対策をご紹介します。
子供の行動の意味がわかると、ママやパパの気持ちが少しは軽くなりますよ!
いちか 2児の母。
管理栄養士としてクリニックに勤務。その後大学院に進学して博士(医学)を取得。現在は子育ての傍ら栄養ライターとして活躍中。得意分野は悩めるママの栄養指導。科学的根拠がある栄養情報をお届けします。
子供がご飯を食べない!うちの子大丈夫?
ママ友とその子供と一緒に食事をすると、きちんと食べないのは我が子だけ。
そんな状況に直面したら、比べてはダメだとわかっていても落ち込んでしまいますよね。
でも、ご安心ください!大丈夫です!
まずはこちらのデータをご覧ください。
引用:厚生労働省.平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134207.pdf
これは、厚生労働省が平成27年度に2〜6歳の子供を持つ保護者に対して「現在子供の食事で困っていること」を複数回答で尋ねたものです。
2歳の子供を持つ保護者が一番困っていることは「遊び食べ」(41.8%)
3歳,4歳,5歳の子供を持つ保護者が一番困っていることは「食べるのに時間がかかる」(それぞれ32.4%, 37.3%, 34.6%)です。
少なくとも3人に1人以上の保護者は、子供がご飯をちゃんと食べないことに悩んでいるのですね。
「偏食」「むら食い」「小食」「食べることに関心がない」なども「食べない」と置き換えることができますから、実際は「子供が食べない」と悩んでいる保護者はもっと多いでしょう。
子供の食事に対して、困りごとが特にないのは一番多い5歳以上でさえ5人に1人以下です。
「子供が食べない」と悩んでいるのはあなただけではないということですよ♪
身長や体重が増えているようであれば、気にかけてほしいけれど気にしすぎる必要はありません。
さらに、「食べるのに時間がかかる」という悩みは、3〜5歳でほとんど割合が変わりません。
つまり、「もう4歳(5歳)なのに食べられない」という気持ちは今すぐ手放した方が親子ともハッピーになれそうですよ。
⇒子供が朝ごはんを食べないとどうなる?影響と食欲アップのコツを伝授!
子供がご飯を食べない!理由と対策は?
それでは、子供がご飯を食べない理由と、その対策を考えていきましょう。
お腹が空いていない
あなたは、朝起きてからどの程度時間が経てば朝ごはんが食べられますか?
つい夕方にお菓子を食べてしまって、夕飯食べられないな〜という経験は、ありませんか?
子供だって同じです。
夜更かしで寝不足だったり、朝ギリギリまで寝ていて「起きなさい!早くご飯食べなさい!」ではやはり食べられません。
食事の直前までおやつやジュースでエネルギーをとっていたら、食が進まなくて当然です。
そのため、まず親がすべきことは「ご飯の時間に、子供のお腹が空いている状態になれるようにする」ことです。
具体的には、全体的な生活習慣を見直しましょう。
- 朝食の時間から逆算して起床時間を決める
- 起床時間から逆算して就寝時間を決める
- 食事の2時間前からは何も食べない・ジュースは飲まない
- どうしても何か食べたい場合は、食事の一部になりそうなもの(おにぎりや果物など)にする
- 牛乳もお腹が膨れるので飲みすぎない
生活リズムが整っていれば、今は小食でも小学生・中学生になるにつれて食べられるようになることも多いですよ。
⇒子どものおやつは栄養が必要?おやつの役割とおすすめの食べ物5選
食事に集中できない
食べるより遊びたい!という子だって、もちろんいます。
食事に集中できる環境は整っていますか?
- 机の上や周辺におもちゃを置かない
- テレビを消す
- 机やイスの高さ、スプーンやフォークなどを子供に合ったものにする
- 親や家族も一緒に食べる
子供の目につく範囲におもちゃがあれば、食べるより遊ぶことが好きな子供はそちらに気が向いてしまいます。
また、きちんと座れない、うまく食具を持てない、などの環境も、子供の気を散らす要因のひとつです。
意外と盲点なのが、子供だけでご飯を食べさせていないかということ。
大人だって、ひとりで食べていたらスマホを見たりテレビを見たりしたくなりませんか?
子供だって同じです。一緒に食べて「おいしいね」と共感したり、おしゃべりを楽しみましょう。
⇒子供と料理をすると良い効果あり。親子クッキングのポイント!
食べ物が合ってない
口に合わない料理だと箸が進まないのも、大人も子供も同じです。
ただし「子供が好むものばかり作りましょう」ではありません。
- 食べ物のかたさや大きさが、子供の食べる能力に見合うようにする
- 子供が苦手な食べ物は、調理法を変えてみる
子供は、離乳食時代から食べる練習を積み重ねることで、色々と食べられるようになります。
しかし、この練習が不十分であったり、歯並びや呼吸などなんらかの理由があったりして、うまく食べられない子供も増えているのです。
事実2018年には、「障がいがないのに食べる、話すなどの口の機能が十分に発達していない15歳未満の子供」を口腔機能発達不全症として保険治療が行われるようになりました。
そこまではいかなくとも、食べる機能がぱっと見の見た目や年齢と見合っていないということは十分に起こり得ます。
その場合には、食べ方のどこでつまづいているかなど、小児科医や栄養士に相談しながら子供のサポートをしていきましょう。
また、子供が好まない食べ物は、無理強いする必要はありません。
例えばにんじんが嫌いでも、同じ緑黄色野菜であるほうれん草が食べられれば栄養学的にはさほど問題になりません。
とはいえ、なんでも食べられる子供になってほしいですよね。
子供が嫌い・苦手な食べ物は、形や調理法を変えながら出してみることをおすすめします。
ピーマンが苦手でも「ピーマンの肉詰めは食べられる」という方は割といませんか?
お野菜は、肉や魚と一緒にすると食べやすくなりますよ。
ただしそのときに大切なのは決して無理強いをしないこと。
一昔前にあった「給食を完食するまでひたすら残されるというシステム」で、その時の食べ物を好きになったという人の話を、私は聞いたことがありません。
「その時の嫌な思いがよみがえるから大っ嫌い」とみなさん口を揃えます。
食事は楽しい時間にしましょう!
⇒ケーキは子供にいつから食べさせる?悪いのはクリーム?砂糖?
子供がご飯を食べない!理由と対策 まとめ
子供がご飯を食べない理由と対策についてご紹介しました。
もう一度おさらいしましょう。
- 乳幼児栄養調査によると、子供がご飯を食べないと悩んでいる保護者は多い
- ご飯の前にお腹が空くようにする
- ご飯に集中しやすい環境を整える
- 子供の口腔機能に合った食べ物を出す
食事は毎日のことなので、親子とも頑張りすぎないでくださいね。
毎日楽しい食卓にすることが一番大切ですから、イライラぜずに済むように、ほどほどにやっていきましょう。