「1歳のお誕生日!ケーキを食べさせても大丈夫?」
「もう2歳だから、クリスマスは家族と一緒に市販のケーキを食べてもいいかな?」
甘くておいしいケーキを、喜んで食べる子供の姿が見たいですよね。
「市販のケーキはまだ早いんじゃないか」と思っても、手作りは簡単ではありません。
では、子供には一体いつからケーキを与えて大丈夫でしょうか?
この記事では次のことを解説します。
- ケーキは何歳から食べられるか
- 子供に食べられるケーキにする工夫
ポイントさえおさえたら、子供も大人も楽しいイベントが過ごせますよ♪
いちか 2児の母。
管理栄養士としてクリニックに勤務。その後大学院に進学して博士(医学)を取得。現在は子育ての傍ら栄養ライターとして活躍中。得意分野は悩めるママの栄養指導。科学的根拠がある栄養情報をお届けします。
ケーキは子供にいつから食べさせて大丈夫?
まずは、スポンジにクリームといちごがのった、いわゆるショートケーキについて解説します。
結論から言えば、「ケーキは◯歳になれば食べていい」というガイドラインはありません。
しかし、生クリームは早くても1歳以降。ケーキは糖質・脂質が多いので、できれば2〜3歳頃までは積極的には食べさせないことをおすすめします。
市販のケーキの栄養は?
市販のケーキは言うまでもなく、とてもおいしいですよね。
でも、大人と同じケーキを子どもに与えるのは、少し大きくなるまで待ちたいところです。
例えば、シャトレーゼの定番ショートケーキ「スペシャル苺ショート」を、幼児が1食あたりに1日に必要とする栄養と比べてみましょう。
男女差は大きくありませんので、ここでは男児を例に取ってみますね。
なお、「1食あたり」は、1日量を3分の1として計算しています。
スペシャル苺ショート | 1~2歳男児 | 3〜5歳男児 | |
---|---|---|---|
エネルギー | 285kcal | 317kcal | 433kcal |
たんぱく質 | 2.8g | 6.7g | 8.3g |
脂質 | 22.1g | 8.8g | 12.0g |
炭水化物 | 18.7g | 45.5g | 62.3g |
*Chateraise(シャトレーゼ)https://www.chateraise.co.jp/products/detail?id=152224&category_id=143*厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年度版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
*エネルギー:標準体重、身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を参照
*たんぱく質:推奨量
*脂質:目標量のうち25%で計算
*炭水化物:目標量のうち57.5%で計算
ショートケーキを1切れは、1〜2歳児が1食あたりに必要とするエネルギー(カロリー9と同じくらいです。
そして栄養バランスを見ると「たんぱく質・炭水化物が少なく」「脂質がかなり多い」ことがわかりますよね。
ケーキの栄養のうち、脂質は主に生クリームから、炭水化物(糖質)は砂糖からきています。
もちろん小さい子にいきなり1切れは与えないかと思いますが、食べさせる際にはまずは「苺とスポンジだけ」などから始めたいところです。
生クリームはいつから食べさせていい?
では、生クリームはいつから食べさせて大丈夫でしょうか?
生クリームの栄養は、脂質が中心です。
厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドによると、少量の油が使えるようになるのは離乳食後期(生後9〜11カ月)。
赤ちゃん・子供は大人よりも消化・吸収機能が未熟なので、油(脂)を取りすぎるとお腹を下してしまいます。
少量の油を使えるといっても、それは3回の食事の時に使うもの。
おやつとして位置付けられるクリームは、できれば1歳以降、それもほんのちょっとから始めるのがいいでしょう。
生クリームとは「生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪以外の成分を除去し、乳脂肪分を18.0%以上にしたもの」と定義されています。
家庭でケーキを手作りするときによく使われる植物性のクリームは、「ホイップクリーム」です。動物性の生クリームの方がややカロリーが高いですが、栄養価に大きな違いはありません。
ケーキの砂糖は?
上でご紹介したショートケーキ1切れに含まれる炭水化物量は18.7gでしたが、スポンジに含まれる炭水化物以外は、砂糖と考えてさしつかえありません。
そしてその砂糖の量は、子どもが食べていい砂糖の量をオーバーしています。
WHOは、1日の砂糖摂取量の目安を「エネルギーの5%未満にすべき」というガイドラインを作っています。
これを1〜2歳児に当てはめると、1日に食べられる砂糖の量は約12gですから、18.7gはかなり多いですね。
つまり、ケーキは子どもにとって砂糖が多い食べ物です(大人にとっても、ですが)。
また、甘い味に慣れてしまうと、赤ちゃんせんべいやたまごボーロといった、赤ちゃん・幼児にぴったりのお菓子を好まなくなったり、味が薄い料理を嫌がったりすることがあります。
それらをふまえると、本人が「食べたい!」というまでは積極的に与えない、のがおすすめです。
⇒白砂糖・白米・小麦粉、白い食べ物は体に悪い!?管理栄養士が徹底調査。
子供も赤ちゃんも食べられるケーキは?
ここでは、子どもや赤ちゃんとケーキを楽しむ方法をお伝えしますね。
できれば2〜3歳頃までは市販のショートケーキは写真撮影用・大人のご褒美用にして、本人には別のケーキを用意するのがおすすめです。
⇒ココアのカフェインは何歳から?赤ちゃんや幼児が飲んでも大丈夫?
スポンジケーキには食パンまたはホットケーキ
スポンジケーキを焼くのはとっても大変なので、手軽に代用できるものとして「食パン」または「ホットケーキ」が便利です。
私も自分の子どもが1歳のお誕生日の時は食パンをケーキのスポンジ代わりに使いました。
コップを逆さにして押し当てれば簡単に丸い型が取れるので、忙しい平日でも簡単に用意できますよ。
コップでチンするだけで作れる蒸しパンなどもおすすめです。
生クリームの代わりにヨーグルトを使う
生クリームの代わりとしておすすめしたいのは、水切りヨーグルトです。
ざるにガーゼかキッチンペーパーを敷き、プレーンヨーグルトを載せて半日〜1日おくと水分が抜けてクリーム状になります。
1歳のお誕生日ならそのままでも十分ですが、少量の砂糖を加えてあげてもいいでしょう。
チーズのようになるので、大人が食べてもおいしいですよ。
フルーツたっぷりのケーキを選ぶ
果物がたっぷりのったタルトならば、子供にも取り分けやすいです。
市販のものを買う時には、果物がたくさんのっているものを選んでみてはいかがでしょうか。
たくさんの種類のフルーツが食べられれば、子供の満足感もあがります。
また、最近はケーキの砂糖を半分にしてくれるケーキ屋さんもあるので、そういうお店を選ぶのもおすすめです。
ケーキは子供にいつから食べさせられる? まとめ
いつから子供にもケーキを食べさせて大丈夫かを解説しました。
もう一度おさらいしましょう。
- 生クリームは1歳以降、ケーキは糖質・脂質が多いので、できれば2〜3歳頃までは積極的には与えない方が良い
- スポンジの代わりには食パンまたはホットケーキがおすすめ
- 生クリームの代わりには水切りヨーグルトがおすすめ
- フルーツをたっぷりにしよう
ケーキはとってもおいしいからこそ、子どもにも食べさせてあげたいですよね。
1〜2歳頃はケーキを楽しむための下準備の期間だと思って、糖分・脂肪少なめのスペシャルケーキを用意してあげてはいかがでしょうか。
もちろんおいしい市販のケーキは、パパママ1歳・2歳のお祝いに、大人がおいしく味わってくださいね。